たった一度だけ、朝まで一緒に

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不倫体験談

たった一度だけ、朝まで一緒に  ポコさん

 

終電が終わっても、必ずタクシーで帰った。

 

絶対に、家を教えてもらえなかった。

 

彼は、「旦那さんに暴力を振るわれて、精神的に不安定になった彼のお姉さん」という名称の奥様がいたから。

 

私は気付かないふりをしていた。

 

彼の嘘が真剣すぎたから。

 

一緒にいる、その時間だけを大切にしようと思った。

 

それすら失いたくなかったから。

 

飲みに行ったり、花火大会に行ったり、本当に幸せな恋愛、不倫だった。

 

だけど、彼の同僚に会った時の彼の言葉に、現実を知ったの。

 

悲しいというより、全てが理解できた気がした。

 

たった一度だけ、私の一人暮らしのアパートで、朝まで一緒に過ごしたことがある。

 

それが彼との最後の時間だった。

 

10年ほど経ち、普及したラインに、彼から連絡が入った。

 

結婚して子供もいるそう。

 

私は、「私と一緒にいるときから結婚してたよね?」と冗談ながら問い詰めた。

 

もう、失っても良い存在だったから。

 

彼からの返事はなかった。

 

それが答えだったと思う。

 

私は、前に進めた気がした。

 

不倫相手なんか、踏み台にして、自分の人生を輝かせようと思った。

 

不倫だったけど、本当に幸せな時間だった。

 

今の私には不可欠だった時間。

 

後悔も何もない。

 

想いあった時間は、今の私の中でもかけがえのない大切な時間だったから。

 


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